こんばんは、前チャック開魔王です。
私は、常々、同人ソフトの開発に憧れております。実は現在のサークルを立ち上げる前に所属していたサークルでは、ゲームの開発、主にグラフィックのドット打ち等の作業を担当させて頂いた事がありました。今では、あまり耳にしないイラストCG集などにも参加しておりました。NECのPC-9801やSHARPのX68000等がメインだった時代です。丁度、OSがMS-DOSからWindows3.1に移り変わる頃だったでしょうか。
現在では、pixiv等のイラスト投稿サイトがありますから、観たいマンガ・アニメ・ゲームのキャラクタのイラストや、お気に入りの作家さんのイラストも簡単かつスピーディーに鑑賞する事が可能でしょう。
私が、初めてCG(イラスト)集に参加した時は、いわゆる草の根BBS時代(文字情報のみの掲示板)でしたので、イラストに特化したBBSはあまり多くなく、在ったとしても、DLに時間が掛かったりする事も在って、直ぐにパッと自分のPCで鑑賞が出来る表現媒体として、同人誌即売会等でCG集を頒布するサークルも少なくはありませんでした。
2HDのフロッピー(3.5 or 5inch)時代でしたので、PC-9801は、ハードウェアの限界で4096色中16色しか色を使えないという、現在では信じられないような制約のある環境下では、如何に少ない色で魅力的なCGを産み出すか、当時のイラストレータは一度は悩んでいた事でしょう。
話がタイトルと随分離れてしまいました。ここから本題に近づきます。
CD-Rで少量頒布したい
現在、コミックマーケット等の同人誌即売会で、デジタルなデータを頒布する方法として、CD、DVD、Blu-rayなどが挙がるかと思いますが、大量の頒布量が見込まれない場合には、CD-R、DVD-R、BD-Rというホームメイド式な媒体を使う事もあるかも知れません。昨今通信速度が速くなった事も在り、音楽データを頒布するサークルは、ダウンロードカード式を採用して、ネットからダウンロードする方法もあるそうですが、まだまだ光学メディアでの頒布や需要も少なくはありません。
ただ、最近は光学ドライブが本体に内蔵されていないPCも目立ってきましたね。
ここでは、少部数頒布をターゲットにして、自作の作品を頒布する際のチョットしたアクセントをお伝えできればと思います。
今回はCD-R編です。
CD-Rは裸で頒布する事は先ず無いでしょう。主にCD-Rの頒布において、CDケースは主に次の3種類になるかと思います。
- ジュエルケース
- スリムケース
- 紙ジャケ
イレギュラーとして、紙スリーブに入れて頒布するという手段(よく体験版頒布で見受けられる)もありますが、主にCDはこの上記三種になるかと思います。少部数を前提としておりますから、CDはプレスではなくCD-Rで頒布、その他のデータは自作するという前提でお話を続けます。CD-RをDVDトールケースに入れて頒布している方は私はあまり多く見掛けた事がありませんが、同人ゲーム系だと存在するのでしょうか。
ジュエルケース
一番メジャーな形であるのがジュエルケースかと思います。今、一般市場に販売されているCDは大体が、この体裁かと思います。空のジュエルケースと、スリムケースは量販店などで簡単に手に入るかと思いますので、その他のデータとしては自宅のプリンタ等でジャケットを造ってケースに入れるという作業となるでしょう。昨今では、店舗での対応が出来るアクセアや、ネットの業者も多々あります。極端な話、10枚しか量産しないと言った場合には、CD-RにPCを使ってライティング、CD-Rは自宅プリンタで盤面印刷、後はケースに入れてビニルで包装というプロセスになるでしょうか。自宅にプリンタとCD-Rライティング可能な光学ドライブがあれば、クオリティに凝らない場合、ワンセット制作が可能になるかと思います。ただ、どうしても手作り感が出てしまい、その辺りを気にする方は、ジャケットの部分だけでも、少量対応している印刷業者に頼むのも良いかも知れません。
スリムケース
こちらは、透明のスリムケースを利用する場合には、複数ページの印刷物も挿入するスペースが狭い事から、CDの盤面が裏ジャケットも担う事もあるかと思います。近年の安価なカラープリンタでは、機能の一つである盤面印刷機能の無いプリンタもありますから、購入時には注意が必要ですね。
・紙ジャケ
筆者が一番今興味のある媒体が、紙ジャケです。一枚のジャケットのスリットにCDを挿入するパターンと、二つ折りになっているジャケットにCDを挿入するタイプが主流かと思います。紙ジャケは比較的薄い事から保管する場所も大きく捕らず、ビニルで包む事で、本格的な作品へと変わります。CD-Rを利用する場合には、透明のビニールに入れれば、往年のLPレコードみたいになりますし、CD-Rをバーベイタムのフォノアールを利用すれば、アナログデザインの味が出るでしょう。最後に紙ジャケ自体に封をすれば、それなりに本格的なジャケットが完成します。文字ライティングに自信があるのならば、CD-Rの盤面にマジックペンで一つひとつタイトルを描くのも良いですね。グラフィティ調の物が描ければカッコいいですね。あとは、帯もあるとアクセントとして良いですね。(必要に応じて音楽用のメディアを利用してください)
▲バーベイタムのアナログレコード調のCD-Rと、透明スリーブの組み合わせ。往年のLPレコードや、レーザーディスクのメディアを思い出しますね。
私は、CD-Rで利用しようとアナログレコードにあるような、スリーブをディスクユニオンで購入したのですが、今は、ディスクユニオンのサイトからは、個人情報流出の関係で現時点で通販は利用できない様子です(→再開したもようです)。実店舗なら買えるのではないかと思います。
CD-R古今東西
CD-Rの売り上げ全盛期では、大事なデータは『太陽誘電』製一択! みたいな風潮がありましたが、現在実際のところは、どうなんでしょうか……。太陽誘電は既に光学メディアは生産しておりませんので、現在はどのメディアを購入したら良いのか悩みどころ。私は、当時、ノーブランドや、RiTEKのメディアを好んで使用していましたが、未だ、未開封スピンドルで段ボールの中で眠っております……。
やっぱり紙ジャケがいい
話は戻して、紙ジャケットでの量産は、業者を利用して発注するのも良いかと思います。CDのプレスから紙ジャケ作成など、オールインワンを賄う業者や、紙ジャケのみ刷ってくれる業者、また、印刷面だけを刷ってくれて組み立ては利用者が行うというサービスまで様々存在します。
紙ジャケのサンプルを無料で頂ける企業もありますので、ある程度狙いを絞ったら、サンプルを取り寄せるのも良いかも知れませんね。
個人的には、紙ジャケのデザインを練るだけでも楽しいですし、街に出れば参照できるサンプルもあります。恐らく皆さんの手元にもCDは何枚かお持ちなのではないでしょうか。そこから、良い部分だけ参照して採用するのも手でしょう。CDのロゴや、被写体の位置を調整して積み上げる楽しさは創作活動の大きなファクタとなるでしょう。
CD-Rでも業者を使う
少量頒布での、盤面印刷やCD-Rのデュプリケートが面倒! と、いう方はDTP関連に強いアクセアや、東京になりますが、秋葉原制作所という同人作家の第二のスタジオ的なワーキングスペースでもデュプリケータや、盤面印刷マシンで一度に量産する事が出来ます。大概の業者はテンプレートを用意している所が多いので、illustrator等でデータを作って持ち込む形です。
ゲームを頒布する場合
同人ソフト(ゲーム)の場合には、容量の関係もあるかも知れませんが、マニュアルをPDFにしてデータ化し、紙媒体のマニュアルは刷らないという体裁を採る事も出来るので、工夫次第では、紙ジャケの情報とCD-Rのみでの頒布も可能になるかと思います。その辺りも構想を練ってみるのも創作活動の一つの楽しみですね。
マスター用メディア
CD-Rが現れた当時は、マスターデータを作る際には、等倍速(1倍速)で焼くとミスが発生しにくいという話をよく耳にしました。わざわざWindowsNTを別途CD-RライティングマシンとしてPCを用意している人もチラホラと見受けられました。当時のOSは現在のような安定性が高くなく、ハードウェアとソフトウェアの相性問題等も在って、安定したOS、安定したドライブ、安定したライティング速度と、不安定な状況を削ぎ起こして環境を作る方も居ました。
DVD-Rが出始める前辺りに、太陽誘電のマスター用メディア複数枚を買って「いつか自分もゲームを創って、このメディアに焼くんだ……」と思っていましたが、もうゲームデータ用としてのCD-Rの時代は終わってしまいました。現在では、このマスター用メディアも価格高騰していて、ビックリしています。主に、音楽CDを創る一部の方々は、まだこのメディアを入手して利用されている様ですね。
同人誌即売会では、データを頒布する際、対面で一般参加者の方々の生の声が聴きたくなります。実はそこが目的なのかも……。
同人誌即売会は、対面で会話する事が大きな楽しみの一つだわ!
創作活動の源だと思うしね。交流の場という事でも同人誌即売会は有難いステージだと思うよ!